スイスの友人
2015/07/30
遂に東日本大震災という呼称になってしまいました。
現時点で死者・行方不明者数が1500人を超えております(NHKによると、安否未確認は1万人以上とのこと)。
気持ちが急いてしまう方もおられるかと思いますが、被災地以外の方々は意識して、粛々と日常生活に戻ることにしましょう。
私もそうなのですが、こういうときは意識をし過ぎて体を壊してしまいがちです。
我々に出来ることは限られております。
準備だけはしっかりと整えて、日常に還る努力をしましょう。
さて、現時刻で一番問題になっていることは、福島の原子力発電所の動向ですが、すでに被爆者が出ている模様です。日本経済新聞社
政府の発表は、曖昧で詳細な情報はほとんど伝わってきません。
また、U-streamやTwitterなどで関係者が独自に情報を発信しており、情報が錯綜しております。
我々はネット、TV両方の情報を観て、冷静に判断し、むやみに未確認情報を拡散しないほうがいいかと思います。
このように有事において情報というものは、最も大切なものの一つである、と言えます。
話は少し飛びます。
私にはスイス人の友人がおります。
皆さんはスイスという国にどういうイメージを持ってらっしゃいますか?
私がまず最初に思い起こしたことは、「永世中立国」というイメージでした。
他にもアルプスを初めとする自然豊かな国というイメージ。
要は、とても平和で穏やかなイメージです。
しかし、そういったイメージとは裏腹に、彼らはかなり強情で自己主張の激しい人たちでした。
永世中立国だから平和主義で穏やかなイメージ。
専守防衛を国是とする日本国内というフィルターを通して物を見ていましたが、随分と違うようです。
そこで、少し継続して調べていたのですが、ある一冊の本ですべての疑問が氷解しました。
その本はスイス政府より、すべてのスイス国民に配られる本でした。
その前書きには、激烈な決意が述べられています。
以下抜粋
「われわれの最も大きな基本的財産は、自由と独立です。これを守るために、われわれは、すべての民間の力と軍事力を一つにあわせねばなりません。しかし、このような侵略に対する抵抗の力というものは、即席にできるものではありません。
抵抗の力は、これに参加するすべての人々が、自分に与えられた任務と、それを達成するため各自の持つ手段方法を、理解し、実地に応用できるように訓練して、初めて有効なものとなるのです」
抜粋ここまで。
これを初め、国民一人一人が国防の意識を持ち、政治に参加する意識を持つことが肝要だ、ということが綴られています。
そして、本書の内容は、すべて具体的な対応策です。
目次を見てみましょう。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
まえがき
平和
われわれは危険な状態にあるのだろうか
深く考えてみると
祖国
国の自由と国民それぞれの自由
国家がうまく機能するために
良心の自由
理想と現実
受諾できない解決方法
自由に決定すること
将来のことはわからない
全面戦争には全面防衛を
国土の防衛と女性
予備品の保存
民間防災の組織
避難所
民間防災体制における連絡
警報部隊
核兵器
生物兵器
化学兵器
堰堤の破壊
緊急持ち出し品
被災者の救援
消火活動
救助活動
救護班と応急手当
心理的な国土防衛
戦争の危険
燃料の統制、配給
民間防災合同演習
心理的な国土防衛
食料の割当、配給
地域防衛隊と軍事経済
軍隊の部分的動員
全面動員
連邦内閣に与えられた大権
徴発
沈黙すべきことを知る
民間自警団の配備
妨害工作とスパイ
死刑
配給
頑張ること
原爆による隣国の脅迫
放射能に対する脅迫
被監禁者と亡命者
危険が差し迫っている
警戒を倍加せよ
防衛
戦争
奇襲
国防軍と民間防災組織の活動開始
戦時国際法
最後まで頑張る
用心
戦いか、死か
戦争のもう一つの様相
敵は同調者を求めている
外国の宣伝の力
経済的戦争
革命闘争の道具
革命闘争の目標
破壊活動
政治生活の混乱
テロ・クーデター・外国の介入
レジスタンス(抵抗活動)
抵抗の権利
占領
抵抗活動の組織化
消極的抵抗
人々の権利
無益な怒り
宣伝と精神的抵抗
解放のための秘密の戦い
解放のための公然たる戦い
解放
知識のしおり
避難所の装備
医療衛生用品
救急用カバン
2週間分の必要物資
2ヵ月分の必要物資
誰が協力するか?どこで?
~~~~~~~~~~~~~~~~~
このように、大変具体的に対応策が著してあります。
平和を守るということは、かくも多大なコストを払う行為なのです。
「永世中立国」ということは「武装中立」ということです。
また、脅威は戦争に限りません。今回のように大震災に見舞われることもあるのです。
幸い日本人は古来より助け合いの精神をもっております。
世界的にも日本人の精神は賞賛されております。これには誇りを持っていいと思います。
しかしながら、喉もと過ぎれば~ということになってしまってはいけません。
今回、ここに到るまでの政府の対応に批判が上がっています。
しかし、それは民主主義国家においては、我々の責任であるとも言えます。
本書においても、政治参加において、一部の者が消極的で無関心であるということを嘆いています。
そして我が国においても、若者を中心に投票率が低く、意見が政治になかなか反映されません。
民主主義国家においては、国民一人一人の参加が、平和を保つことにおいて必要不可欠です。
幸い今回の震災により、一人一人が行動しようという意識が芽生えてきているように感じます。ただ、行動しようにも指針がなければ、なかなか行動することは難しいです。
政治参加のみならず、今回頻繁に起きているデマなどにダマされないためにはどうすればよいか、など本書には具体的に記載されており、ある程度の指針に出来るかと思います。
今回、私自身はボーイスカウトなどの経験により、物資をある程度まとめてありましたが、本書のおかげでまだ足りないものが見えてきました。
今後の教訓として、有事においての、物資、情報の集め方などを本書で学んでおくことは有用かと思います。
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